一言で「美味しい海苔」といっても、産地や用途(料理)によって、どの海苔が合うかは違ってきます。
海苔を存分に楽しむのであれば、産地名や等級の表示がある海苔を購入すると、より美味しく食べることができます。
海苔の産地
日本の海苔には、次のような産地があります。
●九州地区
有明海:福岡、佐賀、熊本、長崎
博多湾:福岡 豊前海:福岡、大分
八代海:熊本、鹿児島
●東日本地区
仙台湾:宮城
東京湾:神奈川・千葉
伊勢湾・三河湾:愛知・三重
●瀬戸内海地区
瀬戸内海:大阪、兵庫、岡山、広島、山口、徳島、香川、愛媛
海苔養殖の方法と味の違い
海苔養殖の方法は大きく分けて2通りの方法があります。
① 支柱養殖
海に支柱を建ててその支柱に網を張って海苔を育てる方法です。
干満の差が日本一大きい有明海ではこの支柱養殖が多く、満潮の時、網は海水面に浮いていて、干潮の時は空中に出ます。海水面にある時は海の養分で育ち、空中に出たときは乾燥することで、柔らかくて歯切れのよい、おいしい海苔となり、パリとした食感を楽しめます。
② 浮き流し養殖
常に網が海水面に浮いている状態で海苔を育てる方法です。
常に海水面に浮いているので、海苔の生長が早く、海苔の色は黒く、そして艶もあります。しかし、海苔がしっかりしているため柔らかさは支柱養殖の海苔より劣りますが、巻きずしなどには最適です。
●福岡県有明海で採れる海苔の特長は?
1番摘みの海苔からおおよそ10番摘み近くの海苔まであり、摘み回数を重ねるごとに海苔はしっかりして硬くなり、海苔の色や風味も少しずつ薄くなってきます。
海苔は各産地で定められた規格に基づき、乾海苔と言われる四角のシート状に全自動の機械で加工します。
その後、出荷された海苔は格付けの検査が行われます。
海苔の等級
格付け検査は、規格より重い、軽い、色が黒い、浅い、小穴が空いているもの、艶があるもの、艶が劣るもの、青のりが混ざっているもの、破れや欠けているものなどなど、様々な等級に分けられます。
その等級の数は福岡有明でなんと約500を超え、検査員の目で海苔がどの等級になるか格付けされます。 その時期の摘み回数と等級により、海苔の用途が違いますので、等級がいいからどの用途にも合うということではありません。利用シーンに最適な海苔が最高の役割を果たします。
海苔の見分け方
海苔のパッケージに等級名が表示された商品を見かけたら、こちらを参考に選んでみてください。
●初摘み、一番摘み
初摘み若しくは一番摘みの海苔。柔らかさと口どけが良く、海苔の風味が楽しめます。
しかし、柔らかいため作り置きする巻き寿司には少し不向きです。
●○等級
小穴が空いている海苔。摘み回数が少なければ歯切れは良い方です。
●重等級
規格より重い海苔。厚く、しっかりしているので巻きずしなどに最適です。
●飛等級
青のりが少し混ざっている海苔。青のりの風味もします。
●混等級
「飛等級」より青のりが多く混ざっている海苔。青のりの風味もします。
海苔の旬
福岡県有明海の海苔のシーズンは10月中旬から4月上旬までです。
主に2期作で生産しているので、一番摘みの海苔は11月中旬頃と、1月上旬頃に収穫されます。
収穫期間中は、旬の時期限定の海苔本来の香りも楽しむことができるのでお薦めです。